被疑者には、黙秘権や調書に署名を拒否する権利があります。
しかし、警察官は職務熱心のあまり、自白をさせようと行き過ぎた取り調べをすることがあります。
実際、寝させずに長時間取り調べをしたり、権限がないにもかかわらず自白をすれば不起訴になる等の利益誘導をすることがあります。
警察署に留置され、外部と自由に連絡がとれない状況においては、実際に罪を犯していなくても、精神的に楽になりたい、自宅に帰りたいという一心で罪を認めてしまうことがありますので、えん罪を作らないためにも違法な取り調べには厳重に抗議することが重要です。
抗議文、警告文の送付
警察署長や検察庁に宛てて抗議文、警告文を内容証明郵便で送付することは、違法な取り調べを中止させる有効な手段です。
違法な取り調べを認めることは無いにせよ、取調官が交代となることがあります。
留置場所の変更申請
警察署に留置されていると警察官の自由な時間帯に取調べができることになります。
また、取調官の支配下にいると精神的に追い詰められていくことになります。
そこで、留置場所を取調官のいる警察署ではなく、拘置所等に変更するよう申請することも違法な取り調べを中止させる有効な手段になります。
自白調書の違法性の主張
取り調べを行った後は、被疑者の供述内容をまとめた供述調書が作成されます。
そして、違法な取り調べがされ、罪を犯していないにもかかわらず、罪を認める供述調書が作られると、それが裁判の証拠となり、有罪となってしまいます。
しかし、裁判所は、違法な取り調べにより作成された供述調書は、任意性を欠く証拠として、裁判の証拠として扱わないという判断をすることがあります。
そのため、事実に反する供述調書が作成された場合には、取り調べの違法性を主張し、供述調書を証拠として扱わないよう求めていくことが重要となります。
最後に
違法な取り調べにより事実に反する供述調書が作成されてしまった場合、即座に抗議をしなければ、抗議をしなかったという事は問題のない行為だ、という言い訳を与えてしまうことになります。
そのため、違法な取り調べがあった場合には、即座の対応が必要となります。